●フランチャイズ加盟時は書面による確認作業が必須

フランチャイズ事業に加盟する際に必ずおさえたい重要事項はたくさんありますが、その一つとして、加盟契約時に受け取る法定開示書面の確認はとても大切です。フランチャイズ加盟の契約時は、契約条件などの内容を加盟者側も十分に理解し、納得した上で契約締結することが理想ですが、このステップをおろそかにしたために本部との間で後々トラブルが発生し、最悪の場合は訴訟に発展する可能性もあります。

フランチャイズ加盟を決断した後にすべきことは、法定開示書面を十分に吟味し、契約内容や本部企業の経営状況など、全方位にわたる事前チェック作業であると言えるでしょう。契約時の事前開示項目としては、中小小売商業振興法、および施行規則によって明記されています。まず、フランチャイズチェーン概要を確認します。

これは、社名、所在地、従業員数、役員、株主、子会社、財務状況などの基本事項のほか、特定連鎖化事業(=フランチャイズチェーン事業)の開始時期、店舗数推移、過去の訴訟件数などが分かります。そして、テリトリー権や守秘義務、ロイヤリティの算出方法、契約違反時のペナルティ、販売や指導、使用する商号やブランド、期間、契約解除について等々、契約内容の詳細についても十分な確認を行いましょう。

 

●法定開示書面のチェックポイント

契約内容に挙げられる項目は、いずれも重要なものばかりですが、特に注意したいポイントがあります。たとえば、直近の過去3年間のフランチャイジーの店舗数の推移状況からは、経営状態の良し悪しが推し量れます。成長著しいチェーンは店舗数が伸び、経営が芳しくなければ減少するので、加盟契約時の分かりやすい判断材料となるはずです。

ロイヤリティは、経営に直接影響する重要事項なので、算出方法と根拠をよく理解することが経営トラブルを防ぎます。守秘義務や競業禁止の有無は、契約時にしっかり理解し認識しておかなければなりません。本部による十分な指導が受けられるか、またそのための負担の有無についても、書面に明示されていることが大切です。さらに、契約違反が生じた際の違約金などのペナルティの概要、また契約更新や解除についても、事前にきちんと把握しておいてください。

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